今年度の世界大会は昨年同様、国立オリンピック記念青少年総合センターでしたが、来年の第39回世界大会は、昭和39年の東京オリンピックで大活躍した「東洋の魔女」のバレーボールの試合が行われた伝統ある東京都駒沢オリンピック公園総合運動場で開催致します。現在はリニューアルされ、大変綺麗になっています。多くの皆さんのご参加を期待します。
今年の世界大会で記憶に残った事が幾つかありました。
先ず基本動作のグランドチャンピオン戦です。グランドチャンピオン戦には各段級の優勝者が出場し、ここで全体総合優勝した者が今年の世界チャンピオンです。今回も10級の部から3段以上に部まで8ブロックより選出された代表が赤いヒモを引くという抽選方法で対戦相手を決定します。そこで決まったのは、第一回戦で、5年連続全日本チャンピオンの藤谷恭信選手(岡山県・基本動作5段)と基本動作10級の幼稚園児、細川智穂選手(東京都)が戦うことになりました。思わず「ホントかよ」と思いました。審判12名は全員が外国の先生たちです。彼らがどのように反応するか、胸高鳴る30秒でした。多分、審判員も心中複雑だったのではないでしょうか。ともあれ、号令員の「礼」「構え刀」と、情け容赦なく号令が掛かります。全日本グランドチャンピオンの藤谷君も「真剣」。かたや智穂ちゃんも「真剣」。審判を見ると、審判も「真剣」。そして息詰まる30秒。「判定!」見ている全員が固唾を飲んで見守っている。どこの国の誰か知りませんが、智穂ちゃんに一本、上がっていました。智穂ちゃんは悔しそうな顔をしていました。勝てるかと思っていたのでしょう。
第38回世界選手権大会 基本動作の部 グランドチャンピオン戦 一回戦 幼稚園児 細川智穂選手(10級) VS 5年連続全日本チャンピオン 藤谷恭信選手(五段)
12名の外国の審判員が見つめる
基本動作の前見の審査の場合は、正中線が最重要です。選手は正中線から外れないようすることがアドバイスです。横並びに並ぶ12名の審判の内、真正面から見ることができる審判ばかりではありません。左右の端に座る審判は斜め見の審査となります。斜め見の場合は、足の幅、体勢を見ることになりますが、まぁ、斜め見でも正中線が外れていることは判断ができますね。
基本動作のクラブ対抗団体戦は、1チーム3名で、2チーム6名が同時に演武するわけです。その場合「気・剣・体」の一致、即ち調和、気迫が判断されるポイントです。無論、3名のバランスが取れていれば美しい表現が出るでしょう。
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