ここ数年、毎週のように地方巡回指導に回って、新しい発見を実感しています。
指導先の会場で、鮮やかな回打ちや鋭い横面打ちをしている中学生・高校生がたくさんいました。その素早い動きに感心し「君はいつからスポチャンを初めたの?」と尋ねると、「年少です」「君は?」「年中です。」と言います。私ははじめ、年少、年中の意味が判りませんでした。「年少って何なの?」と尋ねると、年少というのは幼稚園の低学年の事を言うのだそうです。私はしみじみスポチャンの未来はもの凄く明るいと感心しました。
スポチャンを始めた当時、よく新聞の取材やTVの取材があり、その時は側にいた賢一(息子)を指し、「これは小学校3年からは始めたのですよ。」というと取材陣も皆、驚いていましたが、今では年少・年中が当たり前の様になって、もしかしたら小学1、2年ではじめたのでは遅いかも知れませんね。4,5歳で対戦ができ、暴れ回れる事ができるというのは、他のスポーツにはあまりないことと思います。
第36回世界選手権大会
今、子ども達はスポーツ離れだの、体力測定では能力が劣るだの、またその原因を専門家と称する人々が様々に言っているようですが、何のことは無いと思います。子供はゲームであれ、スポーツであれ、好きなものを自分で選ぶものなのでしょう。その好きなものとは概ね、「うるさくないもの、誰かれが威張らないもの、彼らには意味のないもの。」彼らは極めて合理的です。圧伏教育で「知育」であれ「体育」であれ「徳育」であれ、非合理で納得できないものはやらない、これはささやかな抵抗かもしれませんね。
スポチャン指導者の中では、ようやく年少・年中から始めた世代が各地方で活躍し始めました。その世代が中・高・大、そして社会人となって活躍し、どんどん後進の指導にあたるでしょう。既に中・高でも指導している子はたくさんいます。新しい人が新しい人を、あたかも風を吹き込む如きに次の時代を育成してくれています。
途中で「受験がある」「部活がある」など、何か言い訳を付けて止める者、止めたけれど戻ってくる者、いろいろな者がいますが、「知育」「体育」「徳育」の均衡、バランスが心身の発達に極めて大切です。何れが欠けてもバランスが悪い結果になります。「知育」では、落とすためのクイズのような今の試験方法では、子ども達は逃げる方をえらぶかもしれません。自分に必要であれば自ずと勉強もするでしょう。だからスポチャンもやる、ゲームもやる、勉強もやる。ゲームだって現代の社会においては必要ですよ。これ無くして最先端技術は生まれないでしょう。眼で見て脳で判断し、瞬時に指先へ伝え、凄い速さで指を細かく動かすという一連の動作は、脳を回転の速さと俊敏さを育成します。コンピューター時代の社会では必ずや役に立つものです。
この反応の早さはスポチャンにも言えます。スポチャンの試合を観ても解るとおり、極端に評論すると、頭と足を同時に打てるくらいの俊敏さです。物理的には同時にと言うのはありえないのですが、感覚的にはあると思います。
何れにしても、瞬時に結果を出す能力を子供の時から養正(養成)した方がよいと思っています。その習慣を持つことですね。モタモタしていてはダメです。
第205回四国地区(香川県高松市)講習会(2010/4/18)
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