既に皆様にはご案内の通り、昨年の12月1日を以て公益法人が特例民法法人(旧社団法人)となり、 只今内閣府の方で新公益法人としての認定審査を始めています。当協会も手続き中です。 去る4月10日に一応必要書類の一部の提出を終えましたが、これから数年に渡り、様々な審査を受け、万端宜しければ総理大臣認可の公益法人となれる予定でありますが、あくまで予定であり、大きなハードルをたくさん越えそれらを1つ1つクリアしていかなければなりません。 その1つには各都道府県支部の確立と会員資格の整理等があります。 そして公益法人のオーダーには、「指導者は専門的知識技能を有した者(専門家)でなければならない」と言う項目があります。其れを当協会にあてはめた場合、例えば「専門家とは」有段者だ、と言うことで説明ができます。有段者は、平たく言えば"黒帯"ですからね。
そうですね。日本の社会通念上では、黒帯という信頼はかなり大きなものです。特に柔道や剣道の有段者は権威があります。我々もそれらの権威と同等、それ以上でなければならないと思っています。 従って専門家とは、矜持を高く持ち、今一度ベーシックは如何なるものかを見つめ直すことでしょう。 武道のみならず、何事の習い事も「基本」が如何に大事かと言うことです。これらは座学や如何なる高邁な書籍を読んでも身に付くものではありません。座を低く志を高く、道場での拭き掃除から始まります。そして師の立ち振る舞いの中から、古くより引き継がれてきた「約束事」、その中に即ち「基本」があります。この「基本」とは、無駄無理を省いた最大公約数、即ち根本原理と成すものであるから、この根本原理をきちんと学び入ることから全てが始まるのです。 古くより武道の初口の言葉に「守破離 (しゅはり)」ということがあります。 「守」とは、師につき、よくよく約束事を習得し、 「破」とは、その約束事を土台としながら自ら工夫し、応用する。 「離」とは、守と破に囚われることなく、全体が全て理にかなっている心技の状態を言う。 我々の世界では、これの達成する手段を「百錬自得」という。また「千錬自得」「萬錬自得」であれば尚良く、その修行の道程が生涯完成となるのでしょう。
そうですね。段位とは階段の事ですから、その修行の階段を一段一段確実に上がることに意味があるのです。その中において、有段者と白帯とは雲泥の差があるのです。この段位は強さの証しではなく、修行に対して真面目に正対したと言う証し。敢えて言うなら、我慢強さという強さの証しでしょう。 また師範・インストラクターは万能ではありません。あくまで、「安全」・「公正」・「自由」のスクエアを担保出来ればインストラクターC級として認めていた時期もありましたが、旧公益法人から新公益法人へ移行することとなり、やはり指導者というのは専門家でなくてはいけなく、インストラクターB級以上の専門家が、使術や人格までも責任を持つ立場にあるでしょう。小太刀の有段者は、槍や基本動作・二刀においては無段です。やはり無資格と言わざるを得ませんね。
そうですね。 新しいバスが出るのです。(内閣府が出したバス)それは新しい公益法人になるかならないかのバスです。これに乗り遅れたらやはり私達全体が落ちこぼれでしょうね。私は新しいバスに乗りたい人だけ乗れば良いと思っています。決して強制はしません。しかし同志諸兄が一緒に前進したい言って頂ければ、喜んで歓迎致します。新しい公益法人には様々なハードルはあるかもしれませんが、其れを1つ1つ乗り越えて行くことが斯道の発展となることでしょう。 今は私は全国を回り、指導者講習会を実施しています。その機会に1人でも多くが講習会に参加してきちんと指導種目を増やし、何かを得て貰えれば幸甚です。この機会を失ったら、今年はもうありません。