主催が文部科学省、県(今回は青森県)、(財)日本体育協会、(財)日本レクレーション協会、(財)体育指導委員会の5者で毎年開催されているスポレク祭のフリー参加種目として青森県おいらせ町にて参加させて頂きました。フリー参加というのは、主催者側の県やおいらせ町が全面的にバックアップして地域の活性化、またスポーツの振興の為に開催する事業の事です。 青森県スポチャン協会会長の木村英敏先生、そのスタッフ共々大変にご奮闘頂き、有り難うございました。 総勢、選手だけでも350名、役員も入れて600名程という大盛会で、地元の奉仕団体や商店街の有志会による「せんべい汁」が全員に振る舞われました。「せんべい汁」というのは、所謂すいとんの様なものですね。実際にすいとんとせんべいが入っていて、実に美味しいものです。また、前夜祭でのバーベキュー、地元でとれた背黒いわしの炭焼きは、東京や横浜では食べることのできない味でした。 地方大会に行くと、その地方の特色のある食べ物を賞味し、その土地の風土に好感を持って親しくなるので、やはり思い出作りには最高の手段です。また前夜祭では"鶏舞"、大会当日の開会式では勇壮な"虎舞"と言うおいらせ町に伝わる素晴らしい芸能を見ることもできました。この勇壮な舞は、戦場へ向かう前に士気を鼓舞する意味があるとの事でしたが、スポチャンの大会には相応しく、やはり日本は武の国だと思いました。青森県にはその他にも有名なねぶた祭りもありますね。 そういった郷土特有なものに接しながら、「日本の越し方、行く末」「私達はこれから何を残し、何を伝えなければならないのだろう」と考えます。この地域の人々が、長い年月伝え続けてきた伝統の美を胸を張って私達に紹介するように、日本から世界に向けて発する素晴らしいスポチャンを、自信をもってますます広めて行こうというエネルギーがあらためて湧いてきました。 開会式での虎舞では、大人が4名ぐらい入っていると思われる大きい虎が2匹、整列していた子供達の間を縫って舞う訳ですが、子供達は持っている柔らかいエアーソフト剣で、勇敢にその虎に向かって行き叩いたりして、笑いを誘う微笑ましい風景もありました。 また、大会前日には地方紙にもカラーでスポチャンが紹介され、嬉しかったですね。 地方大会も本当に良いものです。私達も海外ばかりに目をやらずに足元の日本を見つめる機会として、多くの人にも地方大会での楽しみを味わって頂きたいと感じました。
スポレク大会を3連勝していた櫻井一雄選手(神奈川県)が4連勝ならず。中学2年生の田村勇樹選手(神奈川県)がグランドチャンピオンとなりました。櫻井選手には開会式で「4連覇ならこのカップをあげるよ」と公言しましたが、なかなか4連覇は難しかったですね。一般男子の部、長剣フリーで勝ち上がることが出来ませんでした。長剣フリーで優勝した山口優平選手や、2位の中嶋宏充選手、3位風魔忍選手は、共に世界大会でも活躍する強い選手ですからね、なかなか全員を倒すのは難しいことだったと思います。 他には青森県の小田美智子・小田裕太の親子選手もなかなか強いですね。とにかくスポチャンは、親子でできる事が特にいい。 基本動作のグランドチャンピオンは川田雄太郎選手(香川県)でしたが、彼もお母さんの川田多美子選手とぶつかっていました。川田雄太郎選手は、みんなからのアドバイスを素直に良く受け入れ強くなりましたね。無理に焦らなくても、年月と共に精神と躰が出来てくると自然と技も出来上がってくるものです。
打突競技団体戦日本代表Aチームは、2年連続優勝している田邊賢一選手(神奈川県、先鋒)、多田悟選手(神奈川県、中堅)、細川健一選手(東京都、大将)。この3名はいずれも歴代世界大会個人戦チャンピオンです。Bチームは、松本晋和選手(東京都、先鋒、今年度第14回全日本大学選手権大会チャンピオン)、田村勇樹選手(神奈川県、中堅、今年度第33回全国少年少女選手権大会と第20回全国スポレク祭チャンピオン)山口優平選手(神奈川県、大将、今年度第33回全日本選手権大会チャンピオン)に決定しました。 基本動作団体戦日本代表チームは、岩田麻佑花選手(高知県、先鋒、今年度第33回全国少年少女選手権大会と第33回全日本スポーツチャンバラ選手権大会基本動作準優勝)、野村五月選手(高知県、中堅、今年度第33回全国少年少女選手権大会と第33回全日本スポーツチャンバラ選手権大会基本動作チャンピオン)川田多美子(香川県、大将、今年度第2回アジア・オセアニア選手権大会基本動作チャンピオン)、監督 田渕美也子(東京都)と決定しています。 ヨーロッパもアジアも、とにかく世界中の国々がスポチャンをよく勉強・研究し、本当に強くなって来ています。昨年は基本動作はロシアが優勝し、日本は2位。打突では日本のAチームが優勝しましたが、2位のロシア、3位のフランスとは僅差でした。今年は基本動作・打突競技共に日本の活躍を希望すると共に、世界の多くのスポチャン剣士達が世界大会によってお互いに理解しあえることを望んでいます。とにかく「勝って良し」「負けて良し」「見て良し」。特に勝つのみに拘泥せず、世界人としての日本のイメージを一層上げ、多くの人と友情を分かち合って頂きたい。これがスポチャンの世界大会の主たる目的ですから。大変に楽しみにしています。