スポーツチャンバラ 田邊哲人会長のインタビュー
インタビュー記事No.1
「第31回世界大会」を終えて

田邊哲人会長

今年の世界大会も大変多くの外国選手が来日し大盛会でした。
スポチャンは実際に見ると本当に凄く面白いです。楽しみました。


今年は約1300名、海外選手は22ヶ国、160名の参加でした。ラトビアやロシア、ウクライナなど遠方の国からも多くの選手の参加がありました。これは大変な事だと感謝しています。
  あなたが面白いと感じるようになったのは、スポチャンが少し判ってきたからでしょう。 見続けてくると選手の顔も覚え、選手の状態も判ってくるからね。ただ世界大会の前の全日本大会を見ていれば、もっと世界大会が楽しめると思う。選手の状態がよくわかるから。今年の山田選手は調子が良いと全日本の時に感じていました。やはり世界大会でも勝ってきた。かれの持ち味はスピードですね。足打ちが早い。スポチャンセンスが良いと感じます。あと、多田君はバネがある。




海外選手のスポチャンへの真摯な態度がとても感じられました。
それにしてもフランス、ロシア、ラトビア、外国勢は強かったですね。


ヨーロッパ勢は強かったですね。特にロシアとフランス。結果表を見て改めてびっくりしました。ロシアは小学生の部全体で3部門総合をとっているしね。
フランスは一般の部も長剣両手と二刀を制覇しました。長剣両手は日本で言う「剣道」、二刀は「宮本武蔵」ですね。この2種をフランス勢が制覇したと言うことは、日本勢はトレーニングの方法の考え方を変えなければなりませんね。
団体戦も3位にフランスの2チーム喰い込んできた。こんなに入賞者が出たとは、本当に強くなってきたと感じます。ヨーロッパ選手権でもフランスは優勝しましたから、決してまぐれではありません。日本もこのままでは世界チャンピオンの座も危ういと感じます。
  私が稽古をつけていた時の練習は、実にさっぱりしたものでした。1本、2本、3本、・・と付けるだけで10本やるだけで、ハイ終わり。こういう練習は瞬間的な緊張を引き出します。試合は早ければ3秒で決まってしまう、瞬間的な反応や緊張感を高める練習こそが必要だと思います。瞬間的に自然と体が反応する様なトレーニングと言うことですね。
私の道場は最初は小さかったが、「どうして先生の所は強い選手を輩出来るのか」と言われたが、こういう練習をしていました。そういう緊張感のある練習をすることが強さになります。是非、緊張感有る有意義な練習を日本選手にはもっと積んで貰いたい。今のままのような練習ではもう通用しなくなりそうです。このまま安住しているとサムライスポーツの世界チャンピオンは海外選手のものですね。




今年から団体戦での世界チャンピオン戦がありました。
この試合も個人戦とは違う面白さがあり、見る側も思わず力が入りました。


団体戦、おもいろいでしょ。国を代表して戦うからね。チームワークも必要だし。
先鋒、中堅、大将と3名1チーム。
今後全日本大会、スポレク祭はこの世界大会団体戦出場選手の選考会となります。各都道府県市区町村もそれぞれ、大会の選考会を兼ねてやって頂きたい。仲良しごっこだけだとなかなか大試合には勝てません。
  今世界大会の日本のBチームは、今年の国内の各大会で優勝した連合チーム。Aチームは今年は元世界チャンピオンチーム(田邊賢一選手、細川健一選手、多田悟選手)でした。やはりAチームが優勝しましたね。スポチャンには面数(めんかず)・旗数(はたかず)と言う言葉があります。面数(めんがず)とは稽古量の多さを言いますが、やはり面をたくさん付けた経験豊富な選手の方が見ていて安定感があります。
  世界は広いから、いろいろな使術を駆使して「打倒、日本!」で来ますから、少しの油断もできません。緊張が切れた時には負けたときですね。大一番には精神力の強さがやはり出てきます。勝負は精神力の戦いです。誰がどうと言う技術的な大差はない。私自身も見ていて手に汗を握る試合の連続でした。 外国勢はどの選手も遠くから遠征してくるのですから、日本勢も更に錬成しなければと危機感を感じます。日本勢も今後、このAチームの壁を破れないと上へ昇るのは難しいでしょう。
  来年のBチームの編成は、これから各選考会となる全日本選手権大会、全国少年少女選手権大会、スポレク祭等をじっくり見て考えたいと思います。誰でもチャンスはありますので、是非各大会へ出場し、世界チャンピオンにチャレンジして下さい。




小学6年生の田村勇樹選手がチャレンジャーでした。
多くの大会で続けてチャレンジャーとなっています。


小学6年生ですからね。あと一歩です。"よけて打つ"、"受けて打つ"という「護身道」の基本は出来ている。
"受けて打つ"とは[ 受打同時 (じゅだどうじ) ]と言うが、護身道の基本は、"見切り技でよける"、それ以上中にいた場合は"得物で受けて打つ"、最悪の状態で命を守る本能的な最終手段として"かばい手"の3つがあります。"かばい手"は以前、ルール解説したように優れたテクニックとはいえません。    ルール解説[かばい手]参照
  全般的に言えますが、子供が大人に勝つためには、"よけて打つ"、"受けて打つ"の基本のリズム、スピードを大人にも通用するよう、スピードアップすること。二拍子のリズムではなく、それを一拍子の内に出来なくてはなかなか勝てません。また、回し打ちのみ等の単調な技のみだと大人には通用しません。
田村選手はまだ小学校6年生で手首も弱いが、勝負感があり勝てているのだから、今はこのまま勝つことに専念して行けば良いと思います。出来ればもう1つ2つ、得意技を会得すると安定してきますね。




来年度より試合形式が段級別となります。どんな試合になるのでしょう?


一試合、一試合、勝ち上がって行くのも大変シビアになりますね。厳しい試合になります。
無段級はそれぞれのカテゴリーで優勝できますが、それ以上のグランドチャンピオン戦には出場の資格はありませんので注意して頂きたい。その他は今まで同様に、師範・師範代のクラスも含め各クラスの優勝者が世界チャンピオンの決勝トーナメント出場し、グランドチャンピオン獲得戦を戦います。各部優勝者は部優勝であり、世界チャンピオンとは言いませんから。
  また世界チャンピオンを目指すなら、段級を取得した方が有利でそれが先決でしょう。例えば槍や二刀、楯小太刀と言ったカテゴリーでは、上段者はまだそれ程は多くはありませんから。反対に小太刀の無段級などは大変多くの選手が参加するでしょうね。一本勝負で勝ち上がっていくのは大変です。段級にもどんどんチャレンジして貰いたいですね。
  是非、選手諸君には歴史の1ページに残るように期待しています。世界のみんなの心に残るような選手になって貰いたいですね。


世界大会を熱く語って頂いた会長、ありがとうございました!
来年から今までとは違った試合展開も見られそうです。楽しみですね。
次回、会長のインタビューもお楽しみに!


また、会長にお聞きしたい事があれば[ メールマガジン、お問合わせページ ]からお送り下さい!

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