スポーツチャンバラ 田邊哲人会長のインタビュー
インタビュー記事No.34
「第35回世界選手権大会」

田邊哲人会長
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第35回世界選手権大会が終わりました。


  34ヶ国の国々から約1300人の選手が集まりました。 今年は短槍も大分理解してきたようで、非常に良い試合をしていました。また着ているものもカラフルで楽しかったですね。

  私達、主催者側からの大会成功の規準としては、

  1. 怪我人や事故が無いこと
  2. 皆が大いに楽しめること
  3. 時間通りにすべて終了できること

です。

  今大会は、16時30分には全ての試合・表彰式を終了し、16時45分には選手役員全員が会場を退出する事が目標でしたが、時間オーバーとなってしまいました。

  この原因は、今大会の場合、全部で22コートありましたが、コート毎で試合の終了時間に差が出てしまい、既に試合が終了している他の全コートは次の種目の試合は始められず、終了が遅いコートを待たなければならない状態になった事です。選手は種目により出場するクラス(段級)が違うので、種目によってコート移動となります。
[訂正] 従いまして、原則は全コートが終了しなければ次の種目がスタートできません。しかし待ち時間を短縮させるために、既に試合が終了したコートは、次の種目を1回戦までは出来るでしょう。その間に、まだ前の種目が終わっていないコートも終わると思います。2回戦までは始められませんので、コート毎に1回戦締め切りのアナウンスを致します。それで待ち時間は大分短縮されると思いますね。
それでも10分20分と終了が遅くなれば、最終的に大会自体が30分、1時間と遅れることになります。これはコートを増やしても根本解決にはなりません。来年はますます選手が増えます。現にメキシコからは来年の世界大会へ30名の出場申請あります。スピーディーな試合運びは今後の大きな課題ですね。

  コートの試合の終了時間に差が出る要因の1つは、コート毎で出場選手の数が同数では無いために試合数も異なり、結果、終了時間に差が出る訳ですが、他の要因としては、審判の判定の遅さにあります。
[訂正] (勿論、試合内容に依っては判定がなかなかつかない場合もあるでしょう。それはしっかりした審判であるならば構わないことです。)

  従来、国際審判員の1審制であったのを、一級主審と一級検査役を取り入れた2審制にして、素早く最終結果が出ることを期待していましたが、まだ審判の裁き方が遅い。
  理由はまず、取るべきところで一本が取れない。選手の心が読めず、選手が「決まった!」と思うとき取ってあげられない。見極めができていないのです。また、判定に対して選手に何度も挙手され、試合が度々中断する。1,2回ならまだしも、3回も4回も選手の挙手があるような審判は、世界大会の審判として相応しくないように思います。疑問がなければ、選手はいちいち挙手などしません。一級主審、一級検査役は、副審をリードし試合を進行させなければいけない訳ですから、技の見極めのみならず、スピーディーな判断力が必要です。審判力が不足していると何度も選手から挙手されることになります。

  また合議に関しても大会プログラムの「審判要領」にもある通り、10秒以内に終わらせる事が肝要で、ダラダラといつまでも選手の言い分を聞くのは意味がありません。入った、入らなかったのと水掛け論になってしまいます。特に外国の選手は言葉がはっきりしないわけですから、ぐずぐずした合議や審判ですと威厳がなく、見ている者も不愉快になるし不信感が湧きます。挙手した選手の言い分を端的に聞いて、" judge again"で再判定を行えば良いのです。はっきりと" judge again!"で挙手した選手の負けが客観的に[再度決定的]になれば、その選手も納得するでしょう。兎も角、万人が納得するようキビキビした裁き方が必須です。それには10秒など掛からないと思いますよ。  しかしこのような審判の技量は、その人の[一生懸命さ]や[面数]、[旗数]も重要ですが、感覚に依るところもありましょう。元々何事も決断力が早くスピーディーにこなせる人もいれば、不器用な人もいる訳ですから。それは人に依って様々ですが、それらを補うためにも講習会などで種目毎の打突のポイントをしっかり把握し、瞬時に分析、分解し何人にも説明のできうる公正な判断を念頭におきながら審判をして下さい。  


団体戦打突ではイタリアが3連覇でした。


  団体戦打突決勝戦はイタリア対日本でしたね。イタリアは安定した強さです。
  日本の3選手の内、個人戦グランドチャンピオン戦と重なってしまった松本選手が団体戦から欠けました。彼は個人戦を選んだ訳ですから、団体戦の権利を放棄したと言うことです。これは円滑な大会運営の立場から今後とも同様な処置がとられます。

  今までは、グランドチャンピオン戦の出場者の内、一人でも他の試合中の選手がいれば、それが終わるのを待ってからグランドチャンピオン戦が開始されました。それは大会時間が長引く大きな要因となっていました。一人の選手が出場出来る種目は3種目までですから、もしその選手が団体戦も出場する場合、4種目出場になるので試合がダブる場合もあるでしょう。その場合はその選手が自分で出場する試合を選択し、ダブってしまった種目のどちらかの出場権利を放棄します。今後ともこの様に進めていきますので、大会に出場する選手はよく理解して出場して下さい。
  もし以上の理由で団体戦が3名から1人欠けた場合、そのまま2名で戦うのか、補欠を入れるのかは自由です。監督と相談して決定して下さい。結局2勝すれば良い訳ですから。今年のアジア大会では、韓国が2名で決勝戦まで勝ち上がりましたよ。

  また世界大会プログラムP10,11に掲載されている基本動作の「指定審判員の試合要領」や「打突競技審判要領」などもよくご確認し、今後の参考にして下さい。

指定審判員の試合要領

打突競技審判要領


有り難うございました。
次回のインタビューもお楽しみに!!

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