スポーツチャンバラ 田邊哲人会長のインタビュー
インタビュー記事No.18
「 第33回世界選手権大会を終えて 」

田邊哲人会長
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第33回世界大会は22ヶ国からの参加者があり、スポチャン至上最大の大会となりました。


  今大会は一番多かったロシアからの51名を始め22カ国から約1300人の参加があり、そうそうたる世界一流の選手が一同にかえす一大イベントとなりました。また(財)日本レクリエーション協会 全国交流大会と同時開催の大会となり、(財)日本レクリエーション協会の川村皓章会長ご夫妻のご臨席をいただき、衆議院議員、市会議員、エジプト大使等の貴賓も迎え、華々しく開会式を開催できましたことにあらためて御礼申し上げます。川村会長は開会式、基本動作、打突競技の演武に大変感激された様子で、「是非学校教育へ取り入れるべきである」と力説して下さいました。




打突競技・基本動作共にグランドチャンピオンは日本人が獲得しました!


  グランドチャンピオンに輝いた永井将史選手は、とにかくスピードがあります。まだ高校生と言う事ですが、往年の世界チャンピオン等に匹敵するスピードで、観ていて全く「スピードとタイミングの祭典」というスポチャン元来のキャッチフレーズ通りでしたね。今後とももっと伸びるよう期待します。また基本動作グランドチャンピオンの野村五月選手は中学生ですが、安定した強さは皆が認めるところでしょう。
  しかし、団体戦の打突競技では昨年3位のイタリアが優勝、基本動作は昨年に引き続きロシアが勝ちました。グランドチャンピオンを日本人が獲ったという事実は大変喜ばしい事ですが、一歩下がって大会全体を眺めると、海外勢はますます熱く強くなりました。そして今大会を機に、ロシア、イタリア、フランス、ラトビア、エストニア、韓国、シンガポール等の海外選手は、グランドチャンピオン目指して更に練習を重ねてくるでしょう。それを迎え撃つ日本人は、日常の甘えた姿勢から襟を正し、なお一層自らを律して精進していかなければならないとしみじみ感じます。このようにスポチャンを通じて世界の人と比較すると、日本人は全てに甘さを感じます。やはり極東の島国なのですね。






今大会は参加者も多く、終了時間も大分遅れてしまったようでしたね。


  そうですね。今大会は決勝コートを入れて24コートを準備していたにもかかわらず、時間内で終わりませんでした。いろいろと原因はありますが、先ず人数の多さがありました。更に海外の選手のエントリーが多くそれも一因でしょう。また国別団体戦と個人戦とが重複してしまい、団体戦代表選手の個人戦の終了を待っていたために、団体戦の開始時間が大幅に遅れてしまいました。
  今後この様なことのないように、先ず来年は開会式終了と同時に国別団体戦を実施し、その後、個人戦を行う事で解決できると考えています。




大会が国際的に大きくなるにつけ、運営上でもいろいろと新たな問題点が出てくるようですね。審判の構成についても会長は若干の不満があおりのようでしたが。


  世界大会を日本で開催するにあたり、私は勝ち負けに拘泥するよりも、日本人の潔さ・日本人の素晴らしさを世界にプレゼンテーションする絶好の機会だと日本の皆さんには強調してまいりました。選手は概ねその域に達し満足するものでしたが、各コートに於ける「審判員の構成」について若干の手抜かりがありました。
  何事に寄らず、審判員の構成は極めて公平感を客観的に与えることが先ず大事でした。試合に臨む選手の気持ちは極めてナーバスで、審判員の構成に対しても神経質になる事もあるでしょう。従って「客観性」が極めて大事で、選手双方以外の国、即ち第3の国の人による審判構成であることが先ず持って基本中の基本だろうと考えています。
  今回は、フランスのジロー先生、イタリアのジョバンニ先生、ニューカレドニアのコチノ先生、シンガポールのフィリップ・リー先生、アメリカのアボット先生(団体戦には出場)等の審判専任の外国審判員が少なく、従って日本人の審判だけでなければ進行しないコートもあったようです。海外選手の大方は審判ができるのですが、選手としてメダルを目指しているために、専任審判員を辞退するのが現状なのです。




今後、何か審判規定が変更されるような事はあるのですか?


  来年から大きな大会の準決勝、決勝については、検査役を若干増やす予定です。

  他に、検査役、短刀、長剣両手、槍等も含め、従来の地方審査によって合格した審判員は2級として各地方大会で錬磨錬成し、自信を付けて大いに審判としての腕を磨いて頂きたい。そして今後は大きな大会では1級審判員の資格が必要となりますので、その取得にチャレンジして下さい。従って審判員は1級と2級とに分かれる事となります。
  基本動作では既に基本動作審判員1級制度を導入したことでクレームもなく、大変公平性ある判定で、観ている観衆も納得できた結果となったことでしょう。

  他にも相打ちに関してギャラリーから質問があったようですが、団体戦での相打ちは1回めから両者負けとなりますが、個人戦では1回目は警告となります。

  スポチャンが掲げている「安全、公平、自由」という重要なテーマを如何に実現するか、大会責任者として、如何に不公平感なく自由で公平な大会を運営するかという事に責任を感じ、世界規格を持ち、ルールの着実な進歩をスピード感をもって取り組んでいく所存です。


  尚、来年の世界大会は11月23日(日)に横浜文化体育館、アジア大会は8月にマレーシア、ヨーロッパ大会は5月1日(木)にエストニア(タリン)で開催予定です。多くの方々の参加をお待ちしています。


  


ありがとうございました!
外国の選手は大会開始から相当に気合いが入っていて強かったですが、その中でグランドチャンピオンが日本人!と言うことはやはり嬉しいことですね!
国内外から大会に参加した選手の皆様、役員、ボランティアの方々、お疲れさまでした。また来年もお逢いしましょう!

次回のインタビューもお楽しみに!

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